五色の舟

 『五色の舟』という題のまんがを読んでいる。

 「文化庁メディア芸術祭マンガ部門大賞受賞!」そういう惹句が帯に踊っていた。

 ページを繰ってみると、実際、よいまんがなのだ。

 戦中の日本で、小さな見世物小屋を営む一座が登場する。

 身体欠損を見せ、芸を披露して日銭を稼ぐのだが、とうの彼らには少しもひねくれたところがない。自らの肉体を受け入れ、それを商品とすることを受け入れて、日々を飄々と生きのびている。

 そういう彼らを見ていると、自分のことについてつい考えてしまう。

 身体欠損ではないにせよ、人と違った出自を持った者には、人と違った技能が宿る。程度の差はあれそれは真実だ。そうして問題になるのは、自らの適性と選好の中で、いかにして生活していくのかということなのだ。

 僕はそういうことを、このまんがを読む前から考えていて、そうしてこのまんがへと行き着いてしまった。

 本当はもう少し色々書きたいのだけれど、うまく書けないのでこれくらいにしようと思う。

 小説のように、見世物小屋のように。

 そうしていつかは、本物の小説家に。